こんにちは。㈱秋葉工務店 秋葉智です。
今回は住宅の「外皮」についてお話します。
【住宅外皮】とは、居住空間を包み込む外周部の構造の総称の事で「屋根」「外壁」「床下(基礎を含む)」を指します。
外皮の構造は建物の種類によって様々です。例えば倉庫や工場の屋根や壁では、スレートの波板一枚が外皮を構成する場合もありますが、木造住宅では、屋根や外壁の内側に天井や内壁などの内装があり、中間には下地材や断熱材が組み込まれています。
屋根であれば内壁面から外壁仕上げの表面まで全部を外皮と考えます。
●住宅の耐久性と外皮のかかわり
木造住宅の耐久性で最大の敵は水分です。これは木材に一定以上の水分が含まれた状態が長期継続すると、建物内外に存在する木材腐朽菌(ふきゅうきん)の育成に良い条件となり、腐朽が発生します。
住宅内外の水分の行き来をコントロールする役割を負っているのが、外皮です。
外皮は住宅内外の仕切りとなる存在で、外部における水分の要因としては、「雨」「雪」その他には「降水」があり、これらの水分を外皮に吹き付け、押し込む要因に「風」があります。
外皮の構造が不適切な場合、雨水が外皮内部に侵入します。侵入量や頻度が多い場合、外皮内の木材が長期湿潤状態になります。
他にも、住宅内外の温度差も大きく影響があります。例えば冬に室内で暖房をしていると、外皮内の温度は断熱材の室内側の部分は高く、外部側の温度は低い状態になります。夏はその逆で、室内で冷房を付けて、外皮表面を暑い日差しが当たり続けている。夏の暖かい空気に含まれる水蒸気量に応じて一定の温度以下になるとそこで結露が発生します。
この結露水も量や頻度が多い場合外皮内の木材の長期湿潤をもたらします。
外皮内の空気の水蒸気量を高める要因には、地中の水分、建設時に構成材が含有する水分、調理や入浴なども含め室内で発生する水蒸気、外皮内に侵入し、滞留、保持された雨水などがあります。
ただ、これらが外皮に入り込むかどうかには、外皮の構造や仕様、施工方法の適切さが関わります。
単純に家の耐久性やメンテナンスを考えるとき思い浮かべるのは、外壁や屋根のメンナンス「雨漏り」について想像されるかと思いますが、それ以外にも壁の中の結露(壁体内結露)も耐久性に大きくかかわる。という事も知っておいていただきたいと思います。
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